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2011年 中国は再度利上げするか――インフレ予測二桁も

2011年01月06日

【新唐人日本2011年1月7日付ニュース】中国人民銀行は、12月25日、再度利上げを発表。インフレ抑制が狙いです。しかし、利上げによって、中国の深刻なインフレ、そして物価の急上昇を抑えられるのでしょうか。今年、さらなる利上げはあるのでしょうか。

 
年が明けても、中国では値上げの波がやみません。1月1日、貴州省の茅台酒は、平均2割前後出荷価格を上げました。去年も、合わせて6度も出荷価格を上げています。
 
このほか、中国漢方薬協会の1月2日の発表によると、去年、中国市場では、537種類の漢方薬のうち、84%の価格が上昇。3割ほど上がったのが過半数を占めました。値上がりのトップは冬虫夏草(とうちゅうかそう)、阿膠(あきょう)、アメリカニンジンでした。
 
中国でのすさまじい物価の上昇に、利上げは追いつかないかのようです。専門家も、利上げだけでは、中国のインフレを抑制するのは難しいと厳しい見方を示します。
 
経済専門家 簡天倫氏:「利上げと人民元切り上げをセットにすべきです。この2つは数年前やるべきでした。同時にやらないと、不均衡な経済発展など調整できません」
 
中国に存在する“灰色収入(注1)”も、インフレ悪化をもたらす要素だと述べました。
 
去年7月、中国改革基金会の王小魯さん率いる研究チームは、2008年、中国で副業などの非公開の収入はGDPの3割に達したと推測。
 
また“経済観察ネット”の報道によると、中国では商品券による消費が百貨店などの売り上げの3~4割を占めます。この現象の背後には、不透明で不公平な中国の灰色収入問題があると述べています。
 
去年12月、深セン市住宅賃貸管理サービスセンターの給料の一覧表がネットで暴露されました。58人の年収は24万~68万でしたが、“その他”の収入が異常に高く、毎月この収入が15,000元に達した者もいました。
 
経済専門家 簡天倫氏:「灰色収入は不平等な分配です。高層の灰色収入は特に高いのでお金を持っています。これが中国で住宅価格が上がり続ける理由のひとつ。彼らの金が多すぎるので、お金の価値が低くなり、物価が上がります」
 
インフレに対して、中国政府は給料アップの措置を採りました。今年1月1日から、最低給料を960元から1,160元へと2割昇給。アメリカの新聞“ウォールストリート・ジャーナル”は4日、これはある程度、物価上昇の人々にもたらす影響を弱められるが、同時にインフレへの予測も強めると指摘しました。
 
経済専門家 簡天倫氏:「インフレは市場の予測を形成します。インフレ予測が強まっても政府が利上げせず、人民元を切り上げなければ天安門事件のように、高インフレが社会の動乱を招きます」
 
去年12月14日、国家発展改革委員会の張平主任は、2011年の経済成長の目標を8%、消費者物価指数の伸びの目標を4%に定めると発表。これに対し専門家は、たとえ再び利上げをしても、消費者物価指数は4%を超え、利上げしない場合には、インフレ率は二ケタ以上になると予測しました。
 
新唐人テレビがお伝えしました。
 
1:違法ではないが、規則に触れる、出所のはっきりしないグレーソーンの収入。
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